このたびは,日本理科教育学会第57回関東支部大会(宇都宮大学)へお越しくださいまして,誠にありがとうございます。
小・中学校に続き,平成30年春に高等学校の新学習指導要領も公示され,新しい教育課程の実施に向けた情報が揃いました。新学習指導要領で求められている「主体的・対話的で深い学び」とは,理科授業でどのようなものになるのでしょうか。それらを,研究と実践が連綿と蓄積されてきた問題解決学習や探究的な学習と,どのような関係で考えていけばよいのでしょうか。
学習指導要領の変更に伴っていろいろな問いが生じますが,長く問われている問いもあります。例えば,授業づくりにおける問いは,学習者の主体性を保障することから,不易な問いととらえることができます。一方,教材研究や学習指導のあり方は,目標や学習内容の精緻化との関係で変化することから,流行の側面でとらえることもできます。時代の変化の中で,不易と流行を見分けていくことは重要です。
授業づくり,子どもの学習と理解,理科を学ぶ意義,学習内容と日常生活との関連など,論点は広範囲に存在しています。本支部大会を,理科教育の研究や実践に関するさまざまな問いについて考える機会にしていただければ幸いです。ご参加の皆様の活発な議論を期待しております。
平成30年12月8日
日本理科教育学会第57回関東支部大会
実行委員長 人見 久城